全国各地で成人式が行われているらしい。……特に感想はない。ふーん、という感じだ。
そういえば新潟出身の同期が言っていたが、雪国ではこの時期、積雪のせいで成人式を行うことが困難であるため、雪が融けきった5月頃に成人式を行うのだという。……ふーん、という感じだ。
ところで自分が二十歳になった年、私は成人式に出なかった。10万円以上課金して装備を調え、よく知らないおじさんの話を聞きに行くという行為に、十分な費用対効果を見出せなかったのだ。中学までの同級生には会いたかったので、その後の同窓会には普通に行った。……ふーん、という興味なさそうな相槌が聞こえた気がする。当ブログにふさわしい、良い反応だ。今日も締まっていこう。
12月初旬、遠方に暮らす院生時代の同期に会った。彼女は笑った顔がビスカッチャ(南米原産のチンチラの仲間)に似ているので、ビスカちゃんと呼ぶことにする。
ビスカちゃんは、私がこのブログを書き始めた頃に「実は、こんなの書いているんだ」と打ち明けた最初の友人である。彼女は私の書いた記事を読んで笑い、「飯田ちゃんらしい、優しい文章だね」と言ってくれた。私が他の友人にこのブログを見せたり、SNSで拡散したりするにあたって、一番勇気をくれたのは、彼女のこの言葉だった。もし誰かに馬鹿にされたり引かれたりしても、「でもビスカちゃんは褒めてくれたし、まぁいっか」と思えると、そう思ったのだ。
今回は、そんな大切な友人であるビスカちゃんの、悩みに関する話をしようと思う。
12月の初旬にビスカちゃんと会ったとき、このブログの最新記事は「それが旨いと思うしかない」という記事であった。記事中の、ブログをアフィリエイト化するにあたって話のネタをどうしていくか、みたいな部分を読んだビスカちゃんは、「ネタに困ってるの?うーん、それじゃあねぇ…」と話題を提供してくれたのだ。
「私、最近職場の上司にタメ口で話しちゃうんだけど、どうしたら良いかなぁ?」
話題というよりも悩み相談では?というところはさておき、さすがは私の親友、見事な社会不適格ぶりだ。職場において、上司からの飲み会の誘いを全て断っている私であるが、タメ口を利いたことはさすがに一度もない。
「飲み会?あー、ちょっと無理かも。理由は特にないけど(笑)」
……速攻でクビか、良くて村八分だろう。次の日から私にだけ、休憩室のネスカフェバリスタ使用禁止令が下されても何ら不思議はない。
ビスカちゃんの話を聞くに、タメ口と言っても上で挙げた例ほどひどいものではないようだが、気を抜いたときに相槌などで「りょ!」とか言ってしまうのだそうだ。……いや、わりとヤバいな。
しかし、私は院生時代、ビスカちゃんが研究室の先輩や教授と話しているところを見たことがあるが、たとえ酒の席でも、彼女は一貫して敬語を崩していなかったと思う。先輩のことは目をキラキラさせながら尊敬しているようだったし、教授のことは尊敬を通り越して畏怖している様子が見てとれた。
つまり、彼女は本来、目上の人にちゃんと敬語を使って話すことが出来るということである。
それでは何故、職場の上司に対しては態度がユルくなってしまうのか……。答えは簡単である。ビスカちゃん、あなたはきっと、その上司のことをあまり尊敬していないのだ。親しみやすさなどの要素もあるのかもしれないが、「こいつは多少雑に接しても大丈夫だろう」そういう気持ちが、心の片隅にあるのではないだろうか?
私自身、あまり尊敬していない相手にはナメた気持ちが態度に出てしまうタイプなので、気持ちは分かる。大して敬っていない相手に対し、どうしたらヘイコラ出来るのか……2018年末の1ヶ月間、私はそのことばかりを考えていた。
ナメた態度を取らないということは、すなわち相手に気を遣うということだ。私なら、どういう相手に気を遣うだろうか。パッと思いつくのは、悲しんでいる人だ。あるいは怒っている人でもいい。その人が怒ったり悲しんだりしている理由が自分にあるならば、なおベターだ。小学生の時、同級生が作った渾身の光る泥団子を誤って壊してしまったことがあったが、あのときは相当気を遣った。
ということは、何かしらのアクションによって職場の上司を激烈に悲しませるか怒らせるかすれば、上司に対して常に謙虚な態度で接することができるのではないだろうか。方法については、上司の自宅を燃やす、上司のデスクを燃やす、あるいは上司本人に火をつけるなど様々考えられるが、その辺のさじ加減はビスカちゃん本人にまかせよう。
――――というジョークを用意して2019年1月2日、つまりは相談を受けてから一ヶ月後、私は都内某所にてビスカちゃんと会った。さぁ新年のひと笑い取ってやろうと意気込みつつ、「そういえば、こないだ言ってたタメ口の件はどうなったの?」と話を振ると、彼女はこう答えた。
「なかなか直らないんだよね~。こないだなんか寝坊で遅刻しちゃって、『仕事ナメてるの!?お願いだからせめて悪びれて!』って言われちゃった!」
……やはり、さすがは我が親友である。まさか既に(怒らせることを)実践しているとは、思いもよらなかった。
1ヶ月温めたジョークを出すタイミングを失ったことはともかくとして、気になるのは、彼女の上司が怒るどころか『せめて悪びれて!』だなどと下手に出ていることである。こうなってくると、問題は上司が頼りないことというより、ビスカちゃんの覇王色が強すぎることである可能性が浮上してくる。だとすれば最適解は、頼りない上司を蹴落とし、ビスカちゃん自身が彼女の部署のトップに君臨することだろう。そうすれば尊敬できない元上司に敬語を使う必要もなくなるし、より堂々とした新リーダーを冠した組織は今よりもっと上手く回り始めるに違いない。2019年、ビスカちゃんの下克上に幸あれ。
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