風聞のグルメ第4話は、職場の近くにある洋食屋『レストラン はせくら』へ行ってきた。今回私が行ってきたのは2店舗ある『はせくら』のうち、支倉町にある方のお店である(もう1店舗は堤通雨宮町にある)。電車でお越しの際は仙台駅から地下鉄(市営南北線・泉中央行き)に乗り、北四番丁駅で降りると良い。バスをご利用の場合は、仙台駅西口のバスプール10番乗り場あるいは15番乗り場から東北大学病院経由のバスに乗り、東北大学病院前のバス停で降車すれば、もうお店はすぐそこだ。
外観はこんな感じである。店内が半地下になっているため外から見えにくく、大きな幟(のぼり)や看板もないので少し分かりづらいかもしれない。私が3回目に食べに行ったときには「2年くらい見つけられなかったよ~!」とさすがに盛り過ぎな軽口を叩く老夫婦もいたほどだ。
とはいえ第3話で紹介した『甘味処 彦いち』よりはずっと素直な立地をしているため、初めて行くときはGoogleマップの案内によくよく耳を傾けることをおすすめする。
これこそ、『はせくら』唯一の定食メニュー、ハンバーグ定食である。ハンバーグという「洋」のおかずにガッツリ白飯とみそ汁がついてくるあたり、正しく日本の『洋食屋』という感じで最高だ。サラダは薄めのオーロラソースっぽいドレッシングがかかっていて、さっぱりしていてうまい。
ボリュームしっかりのハンバーグの付け合わせは、素揚げのナスとピーマン、そして具無しのシンプルナポリタンである。このナポリタンがまたうまいのだ!酸味の少ないケチャップの味付けがこってりしていて、課金するので3倍量くらいつけて欲しいと思ってしまう。
そして本題のハンバーグであるが、肉が柔らかくてジューシーというのに加え、特筆すべきは、しとどにかかったこのデミグラスソースだ。
私が初めてこのハンバーグを食べたとき、その感想は「………………………何味だ、これ!?」だった。これをバカ正直に漫画に描くか大分迷ったが、店主に殴られるのが怖くてやめた。
けっして中傷がしたいわけではない。ただ本当に、この味を上手く言い表す言葉を私は持たないのである。
たとえば、コーンスープを飲めばトウモロコシとミルクと塩の味、クッキーを食べれば小麦とバターと砂糖の味など、なんとなく何の味が混ざっているかわかるものだが、このデミグラスソースだと、そういった味の要素が何一つ判別できないのである。漫画3ページに書いたとおり「まろやかでほんのりビター」……しかしそれ以上はなんとも表現しがたい。様々な味が溶け合い絡み合った結果、何ともまろみを帯びた、角なく奥深い味になっているのだ。これはもはや要素に分解することができない、「『はせくら』のデミグラスソース味」という一つの味なのである。
ハンバーグとの相性はもちろん、付け合わせの野菜や、行儀は悪いが白米にもバッチリ合うこのソースを、仙台へお越しの際はぜひご賞味してほしい。
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