数年前までは、ふとしたことで「寄る年波には勝てないねぇ」なんて冗談を言って友人たちからひと笑い取ったり取れなかったりしたものだが、年波がマジで寄って来つつある現在においては、事あるごとに感じられる身体の機能低下から目を背けることに力を注い…
先週の月曜日あたりから、この私の珠のお肌に、ビーズを散らしたような吹き出物ができていた。ここしばらく肌荒れとは無縁だった上、従来とは少し違う荒れ方だったので不思議に思っていたが、原因はどうやら作り置きしているおかずが一部腐っていたことらし…
足が冷たいと寝つきが悪い気がする。 家の中では基本的に裸足で過ごしている。 室内で靴下を履くと足の指に汗をかいて気持ち悪いので、あんまり好きじゃないのだ。 という話を靴下屋(店名)の店員にしたところ「それねぇ、五本指ソックスが良いんですよ!」…
神は死んだ! というのはドイツかなんかの哲学者であるニーチェの言葉であり、彼が生きた19世紀後半には科学技術や資本主義が発達して、人々の心からキリスト教における神様や天の国に対する信仰が失われつつあった状況を表現したものらしい。 ニーチェ……。…
Twitterでよく見る、エッセイ漫画みたいなことが起きた。 職場からの帰り道のことである。 前日に降った大雨のせいで、流れ出した植込みの土が歩道にぬかるみを作り、そこに自転車で通りかかったおじいさんがタイヤを取られてド派手に転んだのだ。 私は驚い…
22歳くらいまで──────つまり熊野寮に入寮するまで、私は人と話すことが得意ではなかった。 初対面の人との会話もそうだが、バイト仲間だとか、クラスメイトだとか、『同じコミュニティに属してはいるけど親しくはない人』が相手だと特に緊張してしまって上手…
春は出会いの季節というが、京都大学の大学院に入学した春は、それまで繰り返してきたどの春よりも多くの出会いがあった。 反りの合わない研究室の面々。新しいバイト先の人々。そしてこの先の2年間、一つ屋根の下で暮らす、熊野寮の寮生たちである。 無事に…